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まゆげ~ん
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「はなのすきなうし」
(作:マンロー・リーフ 絵:ロバート・ローソン 訳:光吉夏弥 岩波書店)
スペインのある牧場で暮らすフェルジナンドは、子どもの時から、ひとり静かに花の匂いを嗅いでいるのが好きな牛でした。
大人に成長しても、群れから離れ、いつもこるくの木の下でうっとりしていました。
ある日、その立派な体格のために、フェルジナンドは闘牛に連れて行かれます。
大きな角、勇ましい見た目のフェルジナンドの出場に、マドリードの街は期待と興奮に包まれます。
しかし、フェルジナンドはその真ん中に出されても、会場の貴婦人が身につけた花から漂ってくる匂いをうっとりと楽しむのでした。
やがて、牧場に連れ戻され、こるくの木の下に幸せの表情で再び座ります。
ドキドキする展開のお話ですが、幸せそうなフェルジナンドの姿に、私たちは何とも安らいだ気持ちになります。
子どもたち一人ひとり、それぞれ違う幸せな時間をみんなで大切に守ってあげたい。
そして安らいだ空気は、周りをも優しさで包むのだと思います。
「しょうぼうじどうしゃ じぷた」(作:渡辺茂男 絵:山本忠敬 福音館書店)
じぷたは、仲間の中では車体が小さく、装備も派手なものは付いていない消防自動車です。大きな火事には出番なし。「ぼくだって出来るのに」と、いつも悔しい思いをしてばかり。
次第に自分がちっぽけでみにくく思われ、悲しくなります。
しかし、ある日、じぷたにしか出来ない仕事の機会が訪れます。
そこでじぷたは、一生懸命自分の力をふりしぼって活躍します。
その勇姿は広く賞賛され「ちびっこでもすごい」と人々にありのままの姿をみとめられ、安心していられる場所を得られたのです。
どの子にも、じぷたのようにスポットライトが当たる瞬間が訪れたらいいな、当ててあげたいな、安心できる居場所が見つかったらいいな、と願います。
「ちいさなおうさま」(作・絵:三浦太郎 偕成社)
ちいさなおうさまが、心満たされる大きな幸せを手に入れるお話です。
幸せな人生のお話は、幼い心に明るい未来と希望を与えてくれます。
ちいさなおうさまの日常生活の場面が面白く、抽象的な絵の中に写実的な絵が混じる場面もあり、惹き付けられます。
おうさまの幸せな人生を、魅力的な絵の世界の中で、何度も遊んで欲しいと思います。
「わすれもの」(作・絵:豊福まきこ BL出版)
大きな公園のベンチに、ぽつんと置き去りにされた、ひつじのぬいぐるみ。
それは女の子の『わすれもの』でした。
「わすれものは むかえがくるんだ まっていなくちゃ」
「ミナちゃんは ぼくがいないと ねむれないんだ だいじょうぶかな」
「ぼくが いないって きづいたかな」
雨の中、思いを巡らすひつじのぬいぐるみの姿は、持ち主ミナちゃんが、泣きたい気持ちで想像していたことなのかも知れません。
愛着あるものとの関わりで育まれる、豊かな想像力と感情は、そのまま「その子らしさ」になり、心の根っこになるのだと思います。
「いろ いろ いろのほん」(作:エルヴェ・テュレ 訳:谷川俊太郎 ポプラ社)
まるで本当に絵具を触るみたい!
絵に触ってページを捲ると変化が起こり、進んでいく「インタラクティブ絵本」です。
谷川俊太郎さんの生き生きとした言葉にのって、いろの冒険を楽しめば、心ははずみ、楽しくなる!
触れると心が解放されるものが身近にあると、それだけで毎日が色付きます。
そんな出会いの一冊になったら良いな、と思います。